「幕末小説人気番付」 全国から寄せられた想い

12月15日(月)から全国に向けて発信してきました「幕末小説人気番付」。
各地から投票をいただいています。
自分だけの「この一冊」に想いをかけて、熱いコメントをくださった方も…。
1月14日(水)現在で取りまとめ、コメントの一部をお届けします。

締切りの2月16日(月)まで1か月。まだまだどんな投票が寄せられてくるか楽しみです。
引き続き、皆様のご応募をお待ちしています。

人気が集まった作品

その他寄せられた作品から

ほか、いろいろ…

コメントのご紹介

コメントの記入は任意ですが、自分自身の経験や想いをこめて熱心に書いてくださった方がたくさんありました。寄せられたコメントの中から、いくつかみなさんにもご紹介いたします。(順不同です)

コメントの記入は自由です。書かなくてもいいし、1行でもかまいません。
どうぞお気軽に投票なさってください。(2月4日、コメントを追加して掲載しました。)


「走狗」 古川薫 (柏書房)

幕末の長州を題材にした8つの短編集です。
このうち表題の「走狗」は脱隊兵騒動の首領として暗殺され大楽源太郎が主人公。タイトルが大楽の挫折と怒りを物語っているようです。このように栄光の明治維新の陰で落伍した人々を、丹念な調査で描いています。下関在住の作家ならではの視点があります。史実から離れない。だから、読み終えて得る知識も多く、ただ”面白い”だけではない。「走狗」は第53回直木賞候補作(昭和40年)です。

「新選組幕末の青嵐」 木内昇 (集英社文庫)

隊士たちの内面、心理面に深く入り込んだところが特色。彼らの行動や事件を描きつつ、彼らが何を思いどう考えていたのか、それを作者が直接に語るのではなく、隊士の目を通して、あるいは隊士たちに語らせる中で自然に彼ら一人一人の人となりを伝えようとしている手法が面白く、読みながら自分もそこに佇んで事の展開を間近に見ているような、不思議な感覚を味わわせてくれる。タイトルは糸里天神のみですが、新撰組に関わる女性をめぐる物語です。糸里と同じ天神の吉栄、菱屋のお梅、前川のお勝、幕末の流れるような時代、それぞれ1人で生きてゆく、潔い女性の姿を伝えてくれる小説でした。

「夜明け前の女たち」 童門冬二 (講談社)

幕末に関する著作が多い作者の作品の中でも格調の高さでは、他の作者の作品に、ひけはとらない作品であろう。
安政の大獄から龍馬暗殺の頃までを描いた内容に多くの女性たちが登場に来る。私が幕末の小説が戦国時代のそれより圧倒的に好きなのは、ほんの160年前からの出来事なので、史実が資料として豊富に残っており、戦国のそれが多く作り話が主体なのとは大きく違っているからである。作品の最後のフレーズが実に印象的である。「自分の好きな人の生命を守りぬきなさい」

「どうにでもせい」 清水義範 (集英社文庫) (短編集『偽史日本伝』に収録)

萩藩主毛利敬親を中心に、長州藩の幕末の政治の流れを一気に見渡したような短編です。パロディみたいですが味があります。
ちょうど五重塔が右に左に揺れながら大地震でも倒壊しないように、家来が意見を出すたびに「そうせい」「そうせい」と右に左に揺れつつ受け入れて、とうとう幕末の難局を乗り切ってしまった珍しいタイプの不思議な名君の話です。

「輪違屋糸里」 浅田次郎 (文芸春秋)

タイトルは糸里天神のみですが、新撰組に関わる女性をめぐる物語です。糸里と同じ天神の吉栄、菱屋のお梅、前川のお勝、幕末の流れるような時代、それぞれ1人で生きてゆく、潔い女性の姿を伝えてくれる小説でした。

「幕末遊撃隊」 池波正太郎 (集英社)

主人公伊庭八郎がかっこいいです。生き方や考え方、これぞ江戸っ子っていうのでしょう。

「幕末あどれさん」 松井今朝子 (PHP研究所)

登場人物は実在する人物ではありませんが、"その他大勢"から見た幕末という時代が描かれています。有名な歴史上の人物ではない人々にとっても幕末は激動の時代であったと思わせてくれる小説です。

「池田屋乱刃」 伊東潤 (講談社)

5話から構成されており、池田屋事件というひとつのできごとに、1話ごとに5人の志士たちを主人公として、この事件にどのように関わったかをその志士の視点で描かれている。まったく違った内容を何篇か合わせて、一冊の本としている例はよく見られるが、ひとつのできごとにそれぞれ違った人物を登場させ、その登場人物からの視点でその話題を捉え、それをひとつの小説としていることはめずらしく、池田屋事件を広角的に見ることができて、とても得した気分の小説である。

「義民が駆ける」 藤沢周平

時代は黒船来航の少し前。
天保後期、幕府の権力が絶対的なものではなくなってきた頃の、藩をあげての国替えへの抵抗を描いています。
日本近海に迫る外国船の影にも、近づいてくる幕末を感じます。
特定の主人公が居ない設定にも関わらず、藩主、上級武士から農民まで、登場した庄内藩の人たちすべてが主人公だと感じられる不思議な作品です。

「吉田松陰」 古川薫 (光文社)

吉田松陰は熱烈な天皇制賛美者として軍国主義の戦前は非常に尊崇されました。そのため戦後は逆に歴史上から抹殺されました。
「日本を軍国主義にミスリードした山口県人」として私は後ろめたさを感じて、明治以降の歴史や吉田松陰を永く避けてきました。その私を開眼してくれたのが、60歳で読んだこの本です。本当の吉田松陰は一級の科学者・思想家であり、世界の大勢を読み明治の精神を創った近代人であることを。誇るべき郷土の先人であることを知りました。その後の幕末維新・明治を読み山口県人としての誇りを深める契機となりました。山口の多くの人達に是非読んでいただきたいと思います。

「命もいらず名もいらず」 山本兼一 (講談社)

山岡鉄舟の考え方・生き方が潔い。表に出ること少なく、海舟を支え、崩壊していく幕府中で貫いた武士魂。

「天璋院篤姫」 宮尾登美子 (講談社)

徳川家を背負い最後まで徳川家の為に戦い続けた篤姫の志に感動しました。

「鞍馬天狗」 大佛次郎 

幕末の混乱期に颯爽と現れ、悪をこらし弱きを助ける物語に夢中になって読みふけりました。

「花冠の志士」 古川薫 (文春文庫)

久坂玄瑞という人物を、実に見事に人間臭く描き切っている物語です。
描写は写実的なのに、久坂玄瑞の人としての魅力がぎっしりと詰まっています。
久坂玄瑞を知りたいと仰る方に、私が一番最初にお勧めする小説です。

「竜馬がゆく」 司馬遼太郎

坂本龍馬の、古くからのしきたりなどにとらわれない行動力、意思の強さに憧れます。

「和宮様御留」 有吉佐和子 (講談社)

幕末に徳川家に嫁いだ和宮様の数奇な運命が小説になっている。
臨場感もあり「和宮替え玉説」もテーマにあり、有吉佐和子さんの小説に引き込まれた。

「開国の使者」 佐藤賢一 (角川文庫) (単行本「ペリー」改題)

ふつう幕末小説を読むときは、薩長とか幕府とか一方に身を置いて読むようになりがちですが、この本は世界史的な観点で書かれています。ペリーが幕府の役人に感心すると、日本人としてうれしくなります。

「峠」 司馬遼太郎 (新潮文庫)

萩市で生まれ育った事で、何故若い長州の人達が命を賭して維新をやらなければならなかったのか?という観点で高杉晋作や松陰先生等萩市の偉人を中心に本を読んできました。「峠」を読み込んでいくうちに、全く逆の視点から、しかも会津や幕府ではない、見逃してしまいそうなローカル藩長岡の家老河合継之助が、先見性を持ちながら、藩という束縛の中、幕末を翻弄されながら生きる姿に感動しました。

「燃えよ剣」 司馬遼太郎

小学生の時に読んで、この作品のせいで歴女になりました(笑)
特に幕末、そして新撰組にはまり、当時は長州人であることが哀しかったくらい。
すっかり大人(オバサン)になった今では、長州はもちろん薩摩や土佐も大好き!
もちろん、他の時代にも興味を持つようになりました。
私に歴史の面白さを教えてくれた、記念すべき作品です。
今でも読み返すことがありますが、それでも新鮮な感動を覚えます。
とても丁寧に人物が描かれているのが凄いのはもちろんのこと、男の生き様というか、人間の生き方みたいなものも考えさせられます。

「世に棲む日日」 司馬遼太郎 (文春文庫)

 若き頃の晋作が、悶々とする中、時代の変革とともに革命児の才を発揮するストーリーが楽しかったです。
 第二次長州征伐(四境戦争)時に、オテントサマ丸を指揮し、先に幕軍により占領された周防大島方面の幕府艦隊を奇襲しこれを撃退する場面はワクワクして読みました。

「花の生涯」 舟橋聖一

井伊直弼とブレーンの長野主膳そして二人の共通の愛人?であったとされる村山たかを中心に、安政の大獄そして桜田門外の変へと到る時代を描いた本作は、井伊直弼を取り上げた小説の中では、恐らく最高傑作であろう。ただ、日米条約の内容や安政の大獄の是否については、多くの異論がなされているのは、周知のことである。

「吉田松陰の恋」 古川 薫 (文春文庫)

一番大好きな本です。
獄中という状況の中で生まれる爽やかで繊細な恋心に女子高生の時に夢中になりました。久子さんを通して読んでいるこちらも松陰先生に恋い焦がれていくような気持ちになる不思議な余韻を与えてくれます。
作者の古川薫さんに改題前の「野山獄相聞抄」にサインを頂いてお話を聞けたという思い出とともに特別思い入れがある作品です。
現在、私が京都で歴史の勉強をしておりますが、山口で沢山の先学の人達が中高生であった私を慈しんで見守ってく下さったことに力を頂いて頑張っています。

「幻の宰相 小松帯刀伝」 瀬野冨吉 (宮帯出版社)

この本は精緻な考証をもとに書かれているために「研究書」と思われがちだが、作者がこの人物を世に知らしめようとする目的が脚色や創作を加えているため「小説」と見るのが妥当です。
混迷する幕末の政局にあって、多くの先進的な意見を聞き、有力者への交渉を担い、薩長同盟と大政奉還を強力に押し進めた政治手腕、戊辰の内乱に際しての欧米列強の脅威を回避した外交手腕、さらに薩摩藩の財政の充実および明治新政府の財政の基盤を築いた経済手腕などを発揮した最重要人物でありながら、王政復古の大号令に臨席しなかったことと、明治初期の病没してしまったことから、全く忘れられた存在になっていた小松帯刀を広く世に知らしめる契機となった作品。
NHKの大河ドラマ「篤姫」は、宮尾登美子「天璋院篤姫」を主な原作としていますが、この「幻の宰相 小松帯刀伝」を脚本に取り入れることによって、より薩摩の立場や動きが明確になり、長州との関係性が立体的に描かれたばかりでなく、物語そのものがエキサイティングかつロマンティックなドラマとなったことは、多くの関係者、視聴者の認めるところでしょう。
この作品が、より多くの歴史ファン、幕末ファンの目に触れることを願って、応募させていただきます。

「遠雷と怒涛と」 湯郷将和 (NHK出版)

昭和52年発行。その年の「お母さんの読書感想文コンクール」(山口県教委など主催)の課題本で、私も応募した思い出がある作品。
藩が北浦の各地に作らせた鯨組という半官半民の捕鯨組合組織に身を置く大山市之助の目を通して維新の動きに揺れる人々の姿を描いている。
作者があとがきで、この小説は祖父に聞いた昔語りを筋立ての中心とした「我が家の明治維新」であると述べているように、維新のおひざ元といえる長州の各家にはそれぞれの維新史があると思う。時代の動きを遠雷のように聞いた人々、自分を飲み込む怒涛のように感じた人々。史上に名を遺した志士たちとは異なる立場、思いで幕末から明治へと激動の時代を生きた市井の人々に思いを馳せてみることも大切なことではないかと思う。

「花神」 司馬遼太郎 (新潮文庫)

小学校のとき、同級生とはじめて話題になった大河ドラマの原作でした。
人間の名前というもはひとつしかないと思っていた少年時代に、村田蔵六から大村益次郎に名前が変身する不思議さをいつまでも印象に残っていました。何だか分からないけど、山口が舞台になっているテレビドラマ。「花神」という題名も、花咲じじいの昔話と関係あるのかどうか。といかく少年の心に印象に残った作品でした。
今から思えば、主役を演じた中村梅之助もよかった。
原作を初めて読んだのはその数年後、高校生3年生のときだったと思います。
それ以後、吉川英冶の「三国志」と司馬遼太郎の「項羽と劉邦」と「花神」は私の三大愛読書です。




この企画は、やまぐち幕末ISHIN祭に参加しています。


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